緑庭記 2011.1
つる植物の驚異は脅威!
この写真はお客様の10年ものの羽衣ジャスミンです。
昨年末撤去することになりました。
羽衣ジャスミンは毎年の整枝剪定が欠かせない程、生育力旺盛な植物。
10年間伸ばし放題と好環境の為、つるの内部はアマゾンのジャングルのようでした。
地道に根を掘り上げ、枝を切り、なんとか撤去完了。
一日がかりの作業になりました。
つる植物のエネルギーを改めて思い知りました。
つる植物は厳しい生存競争のなか、いち早く光を得る為、「つる」という性質を取得して
生き抜いてきたのですから、そのハングリー精神は並大抵のものではないはずです。
つるの中でも驚異的な生育力の品種は、建築物を崩壊させたり、
絡みついた相手の樹木を締め殺してしまったりする程です。
つる植物の絡みつき方もそれぞれです。
刺や葉柄をひっかかりにするもの、吸着根を伸ばし
平らな面でもテリトリーを広げるもの、細い茎を出して巻き付くもの。
環境に応じて、よく考えて植栽することが大事です。
フォルム遊び
冬の植栽や寄植えで重宝するのが個性的なフォルムを持つ植物です。
ミクロソフィラソフォラは、多用する植物の一つです、
園芸本には冬は室内管理となっていますが、場所を選べば戸外で越冬できます。
そういうことは他の植物にも多々あり、
やはり色々な環境下で育て、微妙な具合を感じることが大切だと思います。
地域や生育環境や時期が少し違うだけで、元気に育ったり、
元気がなくなってしまったりすることがよくあります。
この冬のヒットは、雲竜ヤナギ。
お正月の切花の定番ですが、ポット苗で使うと寄植えによく映えます。
落葉した幹の赤い雲竜ヤナギは、芽が吹くまでの間楽しめます。
その他セリンセ、ラセンイ、ペンシルグラスなど
フォルムを対比させながら植え込むと、一味違ったものになります。