緑庭記 2009.4
中国の美人さん
鎌倉の光則寺の花海棠と我が家のボタンです。
花海棠と牡丹。中国からやってきた美人さんです。
「海棠未だ睡り(ねむり)足らず」
唐の楊貴妃が酒に酔い、目覚めた後も酔いが残っている色っぽい様子を、
玄宗皇帝が海棠の花にたとえた。という事から来ているそうです。
このことから、別名は「ねむれる花」というとか。
楊貴妃に例えられた「ねむれる花」お庭に植えたくなりますね。
この樹は、背丈もそんなに高くならず庭木向きです。
日当たりと風通しと排水のよい場所が好きです。
牡丹は、「立てば芍薬、座れば牡丹、 歩く姿は百合の花」
と詠われ、こちらも美人で有名です。
明るい肥沃な場所であれば、初心者でも育て易い低木です。
花の存在感は圧巻ですが、葉のやわらかな質感、形は
見ているだけで、やさしい気持ちにしてくれます。
チューリップ狂時代に思いをはせて
チューリップ、手軽に楽しめる球根の代表です。
かつてオランダでは、珍しい花を咲かせるチューリップの球根が、
家や馬車や莫大な財産と交換される程でした。
この時代を、チューリップ狂時代と言います。
「人々は貴重な球根を病害や盗人や寒さから守ろうと必死になった。庭のチューリップに
毛布をかけてやって自分は凍死してしまった男の話が残っている程だ」
-ダイアン・アッカーマン「庭仕事の喜び」より-
こんな人もいたなんて、なんだか複雑な気分です。
チューリップは、ペルシャ語で「ターバン」を意味する「ツルバン」からきているそうです。
かつて、トルコの男性達が、ターバンにチューリップを
巻き込んでつけていたからという理由のようです。
切花で楽しむ時のワンポイントアドバイス。
花の付け根の茎の部分を針のようなもので貫通させます。
この部分に成長点があるので、傷を付けることで少し長持ちします。